焼酎名:iichiko彩天(いいちこさいてん)
度数:43度
原材料:大麦麹(国内製造)
蒸留:常圧・減圧
製造元:三和酒類株式会社
◆【焼酎について】◆
「iichiko彩天」は大分県宇佐市に本社を置く三和種類株式会社の焼酎。
製造しているのは大分県日田市にある同社の日田蒸留所。
この焼酎は国内市場ではなく、米国市場を主ターゲットに造られている商品。
基本的に国内一般向けの流通販売はされておらず、製造所である日田蒸留所のみで購入できる。
海外のバーでの普及を念頭に開発され、カクテルにも適した43度という一般的な焼酎より高い度数に設定されている。
原材料は大麦麹100%の特殊製法で造られているのが特徴。
ラベルに焼酎についての説明は特に無いので、開栓して味わってみよう。
■香り■
濃縮された甘酸っぱく芳ばしい豊かな麹の香り。
■生■
トロリとした舌触りで甘みのある、芳ばしくしっかりと麹の旨みの生きた味。
■ロック■
まろやかで甘みが増して飲みやすい。
麹の旨みと苦味が良いアクセントになっている。
■水割り■
程よい香りと旨みを残したしっとりとした味。
■お湯割り■
甘みが少し抑えられ芳ばしさと旨みの際立った味。
■ソーダ割り■
サッパリとした爽快な口当たりだが、麹の旨みを隠せない和風ソーダ味。
■カクテル①(焼酎トニック)■
焼酎トニックは麹の旨みを残しつつ甘酸っぱい爽やかな味。
ベースの味が濃いのでカクテルにしても存在感がある。
・彩天60ml
・トニックウォーター
・飾り:オレンジまたはレモン
■カクテル②(芸者カイピリーニャ)■
ライムの酸味と砂糖の甘みがマッチして非常に美味しい。
ベースの焼酎の味は少し感じられるものの、和風な味からエキゾチックな味に急変するのが面白い。
・彩天60ml
・ライム串切り4個
・砂糖小さじ2~3杯
・炭酸で満たす
■カクテル③(うまみギムレット)■
ライムの味が全面に出つつも、その名の通り旨みの生きたカクテル。
爽やかさに加えてシロップによる甘みがクセになる。
・彩天60ml
・ライム果汁30ml
・シロップ22ml
■カクテル④(彩天モヒート)■
うまみギムレットに近い味だが炭酸が加わったことにより爽快さが増している。
炭酸の刺激とライムの酸味と苦味が絶妙に混ざり合っている。
・彩天60ml
・ライム果汁30ml
・シロップ30ml
・炭酸で満たす
(※カクテルは日田蒸留所発行のリーフレットに記載されたレシピをもとに作っています。)
◆【感想】◆
大麦麹の旨みをガツンと感じる味わいの焼酎だった。
一般な常圧蒸留の麦焼酎とは違って麹の味に特化したようなプレミアムな味わい。
43度という高度数のわりにはアルコールの刺々しさはそれほど感じられない。
トロリとした口当たりで麹の旨みと独特の苦味があって美味しい。
海外のバーでカクテルベースとして使われることを念頭に開発されているが、焼酎らしい飲み方でも充分美味しい。
カクテルと焼酎どちらも楽しめるという意味合いで総合評価に加点。
まぁしかし、カクテルベースとして飲むのが一番良いだろう。
焼酎としての飲み方だとロックが特に美味しかった。
まろやかさと甘みが増して飲みやすく、独特の強い麹の旨みがあって美味しい。
その他のオススメ飲み方はやはりカクテル。
独特の味わいの和のテイストが加わったカクテルが楽しめる。
これは焼酎購入時に戴いた蔵元推奨のカクテルレシピのリーフレット通りに作ってみたもの。
今回は家にあった材料で作れるものを4つ作ってみた。
限られた材料しかなかったので、似た系統の味しか作れなかったがそれぞれの美味しさがあった。
自分でカクテルを作ってみる前はベースの酒としては「iichiko彩天」は少し味が濃いのではないかと思っていた。
しかし、その濃さが旨みとなってカクテルに良い味わいをもたらしていた。
ワシは普段自分でカクテルを作ることはほとんど無いので、作ること自体も楽しめた。
また機会があれば違うレシピのカクテルを作ってみたいな。
このコロナ禍では多くの酒造会社が一般の見学を見合わせている。
そんな中、きちんとした感染防止対策のうえ見学させていただい三和酒類㈱日田蒸留所さんに感謝。
見学はセルフスタイルで、ある意味自由で、ある意味制限のかかった不思議な感じだった。
敷地内に併設された販売所には、ここでしか買えない商品が他にもいくつかあった。
試飲は「1人につき2銘柄まで」なので慎重に選らばなければならない。
大手といえど、その辺りはしっかりとしている。
さすが麦焼酎製造の最大手、三和酒類さんだな。
抜け目のない感じで、こちらの購買意欲を高めてくる。
そもそも、この「iichiko彩天」自体が独特な存在の商品なのでどうしても購入したくなった。
価格は750㎖で3631円。
一見高いように感じるが、味やアルコール度数、商品自体の希少さを考えると妥当な価格ではないかと思う。
海外進出を念頭に置いた商品であるため、あまり安いと商品自体の品格が下がってしまう。
ちょっと背伸びすれば買えるくらいの価格が逆に良い。
「iichiko彩天」からは日本の麹文化の伝統と海外進出を意識した革新的な味に新たな可能性を感じた。
近年、海外市場において「日本酒」は高い評価を得ているとメディア等でよく耳にする。
一方、焼酎の知名度や評価に関しては、まだそこまで高くはないと思う。
だが捉え方を変えれば、焼酎はまだまだ大きな可能性を秘めていると考えられる。
いつの日か「焼酎」が世界市場で確固たる地位を築くことを願うばかりだな。
【オススメの飲み方 】
生:○
ロック:◎
水割り:○
お湯割り:○
ソーダ割り:○
カクテル①:○(焼酎トニック)
カクテル②:◎(芸者カイピリーニャ)
カクテル③:◎(うまみギムレット)
カクテル④:○(彩天モヒート)
【総合評価】星5段階評価
評価:★★★★
レア度:★★★★★
麦度:★★★
(※★1点、☆0.5点)
※個人の感想です。
(レビューした人:会長、副会長)
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枦木園 (土曜日, 11 12月 2021 20:09)
私もちょうどこの間、日田蒸留所に行きましたが限定のミニボトルの原酒を購入しました。
この彩天は割物用になるかなとチャレンジングで買う勇気がなかったですが美味しそうですね。
過去の経験から、いいちこはまずいという勝手なイメージがありましたが蔵に行ってみるもので
原酒は良かったですね。あれを常時販売してくれるくらいなら印象が変わるのですが。
会長 (土曜日, 11 12月 2021 22:53)
>枦木園 様
コメントありがとうございます。
おやおや、ニアミスだったんですね。
iichiko彩天は一般的な「下町のナポレオンいいちこ」とは全く別物です。
原酒だと飲み応えあって美味しいてしょうね!
たしかにもっと原酒や常圧蒸留の麦焼酎を一般流通させれば、確実に印象変わると思いますね。