焼酎名:まんこい(まんこい)
度数:30度
原材料:黒糖・米こうじ(タイ産米)
麹:白麹
蒸留:常圧
製造元:合資会社彌生焼酎醸造所
◆【焼酎について】◆
「まんこい」は鹿児島県奄美市の焼酎。
鹿児島市から遠く、350㎞以上離れた奄美群島で造られる黒糖焼酎。
奄美地方の酒と言えば、黒糖焼酎以外は思い浮かばないほど地域性のある焼酎だ。
この黒糖焼酎、実はラム酒と密接な関係にある。
ある一点の製法を除けば、ラム酒とかなり似た造りと言える。
奄美地方でのサトウキビ栽培は、400年以上前からだとされる。
黒糖焼酎の製造に関しては、江戸時代に造られていた記録も残っているようだ。
しかし、この頃の黒糖焼酎と現在の黒糖焼酎は少し違うものと思われる。
それは、前述したラム酒と黒糖焼酎との密接な関係にあり、少し歴史の話にもなる。
奄美群島は、戦後しばらくアメリカの統治下に置かれ、昭和28年(1953年)に本土復帰した。
本土復帰に伴い、島で造られていた酒に、当時の日本の酒税法が適用されることとなった。
しかし、当時の酒税法には焼酎の原料として砂糖などの含糖物質の記載はなかった。
また、当時の製法だと、ラム酒と同じ「スピリッツ」に分類され、税額が高かった。
高い税額は販売に支障が出るおそれがある。
そのため、国税庁に陳情の結果、特例で「米麹」の使用を条件に奄美群島のみ黒糖焼酎の製造が認められた。
つまり、ラム酒との決定的な違いは「米麹」を使用しているかどうか。
ここが現在、我々が口にしている「黒糖焼酎」との定義の違いになる。
黒糖焼酎は数々の歴史や法改正などを抜きにしては語れない。
さぁ、涙と努力と歴史のある黒糖焼酎を今宵はいただこうかね。
■香り■
甘く洋酒のような香りがする。
■生■
とろみのある口当たりで、甘辛くコクがある。
まるで洋酒のような味。
■ロック■
濃厚な甘みと鼻を抜けるスモーキーな香りが特徴的。
そして、程良いキレの良さがある。
■水割り■
やわらかな口当たりだが、個性的な味は水で割っても健在。
そして思いのほか余韻が長い。
■お湯割り■
マイルドで甘みがある。
独特の洋酒のような味わいは少し増している。
◆【感想】◆
ラム酒やウイスキーのような風味をした上品な味の黒糖焼酎だった。
度数は30度と、やや高めだがアルコールの刺激は少なめ。
スタンダードな黒糖焼酎と違い、一線を画した味わい。
この味は、樫樽貯蔵によるもののようだ。
焼酎が好きで、蒸留した洋酒が好きな方には好まれる味ではないだろうか?
久しぶりに黒糖焼酎が飲みたくなり、予備知識無しに購入した。
数ある黒糖焼酎の中で、これを購入した理由はちょっと言えない…。
しかし、洋酒も好むワシとしては印象に残る1本となった。
この焼酎、誰かに教えたいけど、教えたくない…。
とても複雑な気持ち…。
そうだ!
一部伏せて教えてあげたらいいかもしれない!
「ま〇こい」。
【オススメの飲み方 】
生:〇
ロック:◎
水割り:〇
お湯割り:〇
【総合評価】星5段階評価
評価:★★★
レア度:★★★
黒糖度:★
(※★1点、☆0.5点)
※個人の感想です。
(レビューした人:会長)
コメントをお書きください